株式会社聴覚研究所は、創業者が難聴の娘を授かったことがキッカケとなって生まれた法人です。生まれたときから聞こえにくい障害を持って生まれた小さな女の子。この子が立派に育ち、幸福に生きるためには何が必要なのか。我が子のために1人の親として考え始めたこと、これが私たちの原点です。
当時の「難聴」という障害は、今以上に周囲からの理解を得られておらず、情報も少ない障害でした。補聴器はただ音を大きくすればいいというコンセプトで設計されており、教育も充実しているとは言えない状態でした。差別も当たり前のように横行し、障害を抱えた方たちは狭い選択肢の中で過ごしていました。
「この子が幸せに過ごせる環境、教育を用意してあげたい」
そんな思いから始まった活動は、岐阜県から富山県、愛知県、岡山県、広島県など、同じ志を持つ親たちに広がり、大学教授や耳鼻科医、そして市や県まで巻き込んだ活動へと発展していきました。難聴者の体験談や、聞こえ方・発達の違いなどを元に、共に研究し理解を深めていったこと。そのような研究の結果生まれた会社が私たちです。
当社は創業30年を迎えますが、今でも多くの難聴者が株主、そして協力者として在籍しており、日々難聴という障害、そして聞こえに対する研究を行っています。一人ひとりの子どもたち、そして難聴という障害を抱えるすべての人たちが生きやすいと感じ、そして幸福に生きられる社会を目指し、今後も活動を進めてまいります。